ここ数年介護職員の賃上げが世論の後押しもあって、かなり進んでいます。

同じ地域内でも事業所が違えば、看護師よりも介護福祉士の方が給与が高い事も珍しくはありません。

そして来年度も万単位でベースアップがあるとも言われています。

少し前まで「看護師は高給なのに、介護士は低賃金なのはおかしい」というのが世間一般のステレオタイプなイメージでした。

この給与差に関しては、資格の違いであり業務範囲、責任の範囲の違いであるというのが現場の認識でした。

その給与差に関しても2〜3割程度でありますが、同じ職場で働く医師と看護師に比べればその格差は誤差の範囲ですらあります。

医師と看護師の給与格差は5〜6倍などというのは当たり前で、職場によっては10倍などというのもあります。

ですが免許の差であり責任範囲の違い、そもそも仕事が違うと現場看護師の大半は自分に言い聞かせているのが現状ではないのでしょうか。

これは地方へ行くほど開く傾向にあります。

「看護師」と「介護士」に関してはそうした認識は薄いようで、「重労働は介護士にさせて看護師は楽をしている。」という認識が少なからずあります。

しかも困った事に、過酷を極める病棟勤務よりは介護施設の方が看護師として働くなら楽と言ってしまう看護師がいてしまう事も要因ではあります。

実際のところ病院と介護現場では看護師の役割は違っており、単純比較はできません。

医師が常駐している病院では判断を委ねる事ができますが、介護施設の看護師は最終判断を迫られる場面もかなりありますし、介護職員の行為に関する責任を負わされる事もあります。

病院では多忙さや、身体的負担、もちろんプレッシャーもありますが、介護施設では判断や責任の比重が大きくなり、大変さの質が根本的に違っています。

そうした役割や仕事の違いを変える事なくどちらか一方の待遇のみを改善するというのは、弊害を生むことになるのは確実でしょう。

ただ、看護師の業界団体である日本看護協会としては協会員である事が少ない施設看護師の事は放置しても良いという認識なのでしょう。

看護師の平均年収が534万円という実感は地方の看護師としては乏しいのです。

同じ現場で働きながら、役割も職種も違う看護師と介護士ですが、どちらかだけが待遇改善というのでは様々な弊害を生み出します。

世間のイメージでは「看護師には強力な政治的パワーのある日本看護協会がついているのだから、地位や待遇は守られているんでしょ?」などと真顔で言われる事がありますが、それを実感している看護師はごく少数派であるように思います。

看護業界そのものが加速度的に崩壊が進んでいる中で、この流れをいい加減に食い止める事をしなければどうなるのかはわかっているはずなのに。

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