看護師の職場選び 病院の何科で働く?

回復期リハビリ病棟で働く看護師に求められる人材と向いている人&仕事上のお悩みポイント

回復期リハ病棟における看護師の必要性について

急激な高齢社会となり、病院での診療日数の増加による医療費の高騰は大きな社会問題となっています。

脳血管疾患などでは、何とか命を取り留めたとしても重い後遺症が残ったり、廃用症候群などで寝たきりとなる高齢者も数多くいます。

点滴や経管栄養などの医療ケアだけでなく、生活全般におけるケアも増大し在宅療養は困難を極めます。

そこで回復期リハビリテーションへの期待が以前にも増して高まっています。

回復期リハビリテーション病棟には、急性期の病気やけがなどによって著しく身体機能が低下した患者さんに対して、集中的なリハビリを行うことによりADLさせるという明確な目標があります。

できるだけ早い段階からリハを行うことが望ましく、病状が安定しているとはいえ、まだ医療処置が必要な状態からでも積極的に取り組まなければなりません。

そのためには看護師の観察力、判断力、技術などが必要となってきます。

昨今の社会的ニーズと相まって回復期リハ病棟は全国的にも増加しており、その要因の一つとして診療報酬の見直しが考えられます。

質の評価として、回復期リハ病棟における看護師の配置は2012年に15:1から13:1にアップしました。

また2014年には重症度、医療・看護必要度のA項目1点以上の患者受け入れが10%以上となり、益々看護の専門性が求められている状況となりました。

回復期リハ病棟にいる患者さんは、病状が安定しているとは言え、いつ急変するとも限らない状態です。

また急変を恐れるあまり、リハビリのタイミングを逃して回復が遅れてしまうこともあります。

普段から患者さんに接している時間の多い看護師だからこそ、からだやこころの僅かな変化に気付くことができます。

それらの情報を他のスタッフと共有することで、円滑な治療やリハビリに活かすことができるのです。

重症者や高齢者が多くなっても、回復期リハ病棟の最終目標はあくまでも在宅復帰です。

訓練室で行う専門的な機能訓練も大切ですが、看護師は看護の目線で個人個人に必要な日常生活上の動きを少しでも見出し、リハビリに繋げていくことが重要な役割となります。

 

回復期リハ病棟の看護師として求められる人材について

回復期リハ病棟には、疾患を発症してから1~2か月の重症度が高く、障害の重い患者さんが多くいます。

そのため排泄の介助や食事介助、体位変換、移乗動作などの身体的負担の重いケアが中心となるために、看護師には体力的にも精神的にもタフさが求められます。

日頃から自分自身の食生活や体力保持など、健康管理にも積極的に取り組むことが大切となります。

また休みの日には十分な休息をとったり、好きなことをするなどストレスを溜め込まないようにするなど心の栄養補給も心掛けている人は、リフレッシュして仕事にも励めます。

急性期を脱したとはいえ、脳神経内科・外科、大腿骨骨折後などの整形外科、外科的手術や肺炎治療後の安静による廃用性症候群など、ほぼ全科に渡る疾患が回復期のリハビリ病棟に集まります。

そのため幅広い知識と看護スキルが必要となる他にも、リハビリに関する知識も必要となります。

最初から全て覚えることは不可能ですから、分からないことに遭遇した時に自分ですぐに学習したり先輩に確認するなどをして知識を増やしていく努力が必要です。

そのような人は仕事を早く覚えることができ、現場での適応力が高まります。

他の看護スタッフだけでなく、医師やリハビリ療法士などチーム間の協力が特徴となる病棟であるため、コミュニケーション能力の高さも求められます。

自分の意見を言うことも大事ですが、他者の考えや意見を受け止め自分のケアに活かしていけるかどうかが大切です。

それは患者さんとの会話でも同様です。

コミュニケーションの技術には、会話によって相手との信頼関係を築く他に、言葉や表情、態度から重要な情報を読み取ることなどがあります。

普段の何気ない会話からでもリハビリに対する気持ちなど読み取れることもありますから、これらを駆使して患者ケアに役立たせることは看護師の強みとなります。

リハビリの過程では転倒のリスクは付きものであり、それをいかに回避していくかが病棟での主な取り組みの一つとなっています。

看護師は普段の病棟生活の中で、危険となり得る環境や患者の言動などに対して常に留意していく必要があります。

このような危険察知力を働かせることで、アセスメントの中で危険を予測し、前もって対応することで危険を回避できるのです。

看護師は危険を予防する事を優先するあまり、セルフケア能力を奪ってしまう存在にもなり得るので、この両方のバランスを上手くコントロールできるかも技量が試されます。

 

回復期リハ病棟においてナースが陥りがちな悩みとは?

どこの職場でも看護師それぞれの悩みは尽きませんが、回復期リハ病棟における看護師の悩みはだいたい2つに分類されると思われます。

①仕事内容に関する悩み

回復期リハ病棟の対象疾患には、脳神経内科や脳神経外科、整形外科から来られる患者さんが多く、高齢者が多い現状からも寝たきりの占める割合が多くなります。

そのためリハビリの初期段階では介助量が多くなるために、看護師自身の身体的負担はかなり重くなるという現実があります。

特に人手のいない夜勤では日常生活全般の援助が必要となるため、負担が大きく体力的にきついと感じるかもしれません。

しかし病院によっては、人員配置を見直したり介助負担を減らすための工夫がされるなど、日々改善への努力がなされています。

他に回復を目的として一生懸命に取り組んでも報われないという悩みもあります。

後期高齢の患者さんの場合、身体的に回復の兆しが見られずに結局別の施設に転院するケースもあり、在宅復帰させられなかったという喪失感を感じずにはいられません。

病棟の役割に対する解釈や高齢者看護の限界など困難にぶつかればぶつかるほど溢れ出てくる現状があります。

その度に立ち止まって考えることで、解決することがなくても自分自身の成長にはなりますし、貴重な経験として今後に活かされることは確かです。

②人間関係に関する悩み

回復期リハ病棟では他の病棟以上にいろいろな職種との関わりが深い所でもありますが、特に看護助手として働く介護士やヘルパーとの関係に悩む看護師は多いものです。

元来看護業務だった日常のケアを専門的に行う職種として介護が資格化されたのですが、根本的な考え方の相違からトラブルになるケースが見受けられます。

同じ日常のケアを行うにしても、看護師の場合は医療的な側面を優先的に考えて行動しますが、それを重視しない考えをもつ人がいればチーム内で統一したケアを提供できなくなる恐れがあります。

また看護師は看護助手に対して高圧的な態度を取る人も少なくなく、お互いの関係を自ら歪ませる原因となります。

人間関係を円滑に保つにはコミュニケーションが最も大切です。

自分自身の言動について時折客観的に見直す努力も必要ですし、相手のことを理解する姿勢が信頼に繋がります。

どんな悩みもそうですが、一人で抱え込むことは解決を遅らせるばかりか却って悪化することもあります。

できるだけ早めに先輩や上司に相談することをお勧めします。

 

回復期リハ病棟の勤務が向いているタイプとは?

回復期リハ病棟には、短期間での回復を目的に入院してきます。

どんなに病状が重くても、障害があっても少しでも回復する望みがあれば、最終的な目標である在宅復帰に向けて全力で取り組まなくてはなりません。

そうした理由からも前向きな姿勢と強い意志をもった看護師は向いています。

脳血管疾患で半身麻痺や失語症などの後遺症が残った患者さんは、とても精神的に落ち込みます。

そのような人が障害を受け入れて、前向きにリハビリに取り組むにはその人に寄り添う姿勢が大切です。

少しでも回復可能な要素を見つけたら、それを引き出しいく手助けをしていくのですが、単に明るく振る舞ったり、精神論的な感情を持っているだけでは現実的には勤まりません。

やはり自分自身の行動や振る舞いを裏付けられるほどの知識や技術、経験を持ち合わせ、なお且つそれをその場に応じて活かせることも必要となります。

また病棟には患者さんやその家族との関わりだけでなく、他職種との関係性を良好に保つことも仕事上とても大事になってきます。

自分ひとりだけでできる業務ではありませんので、みんなで協力して働くという協調性のある態度は特に好まれます。

自分の意見を言うことはとても大切なことではありますが、相手の意見や立場を尊重する姿勢を示すことで信頼感を得ることもできるはずです。

より良い関係性は結果的には患者さんにより良いリハビリ効果を生み出せるということを念頭に置き、意識してコミュニケーションを図るようにしたいものです。

さらに患者さんにより障害の部位や程度は様々で、それぞれに違ったアプローチをしていかなければなりません。

この人にはこんな方法が適しているのではないかなどと、個別性に応じて考えていく探究心や発想力を持つ看護師は回復期に向いています。

そういう看護師は患者さんを見るときに、これまで生活してきた背景や役割をも踏まえて捉えることができるために、その人に今必要なことを見出せることができるのです。

自分を含めて人間の底知れない能力に興味を持っている人は、回復期病棟での仕事にやりがいを感じられるタイプであると思われます。

 

回復期リハ病棟の看護師がキャリアアップするなら

大きな病院では、経験年数に応じた教育プログラムが充実しており、ラダー式に技術を身につけられるようにしているようです。

また院内研修や病棟での勉強会なども開催されているので、積極的に参加する姿勢があるかないかで各自の成長の度合いにも差が付くと言えます。

日頃の業務の中でも患者さんとの対応が上手くできなかったり、転倒の場面に出くわしたりなど様々な体験をします。

そのような時に自分の行動を振り返り、原因や対応方法を考えて次回に活かせる看護師はスキルアップも早くできます。

地域での勉強会も盛んに行われるようになっており、保健師や訪問看護師など地域で活躍している看護職との接触はよい刺激になります。

病院によっては認定看護師の資格取得に積極的に参加させる所もあり、より専門性を高める門戸も広がっています。

回復期リハ病棟に関連のあるものには摂食・嚥下障害看護と脳卒中リハビリテーション看護があり、今後自身の専門性を高めたい分野についてじっくり検討した上で取り組むとよいでしょう。

①摂食・嚥下障害看護

脳血管疾患や廃用性症候群などによって生じた摂食・嚥下障害のある患者さんに対して、専門性の高い看護を提供します。

具体的には解剖生理や病理学的な面からアセスメントを行い、適切な摂食・嚥下訓練を実施することができます。

また実施した結果を呼吸や栄養状態から専門的に評価するとともに、誤嚥や低栄養、脱水などを予防していくなどリスク管理にも携わります。

認定看護師は摂食・嚥下障害に関して、患者さんとその家族の相談に応じたり指導も積極的におこないますが、看護スタッフへの指導や相談も実施することで、病棟全体の底上げの役割も担っています。

②脳卒中リハビリテーション看護

脳卒中への早い段階からのリハビリテーションによって、残存機能を活かしたADLの向上、寝たきりの防止などの効果が期待されます。

これらが効率よく行われるためには、看護師も専門性の高い知識とスキルを身につけ、回復支援をしていく必要が求められてきました。

脳科学の観点から病態を正確に把握し、急性期から回復期までどの過程においても、セルフケア能力を高めるためのリハビリテーション計画や実戦を行います。

その際に障害による生活への影響や危険予防などを考慮することも必要となります。

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