看護師の職場選び 病院の何科で働く?

ICUの看護師

目次

ICUの看護師の仕事の1日の流れ

ICUって大変そうなイメージのある場所だけど、いったいどんなことをしているんだろう、って疑問に思っている方も多いはず。正直なところ、私も働いてみるまでよく分かりませんでした。

病院によっても違うと思いますが、私の実体験を元に、ICU看護師の仕事の一日の流れをお話しします。

そもそも、ICUってどんなところ?

ICUとは集中治療室(Intensive Care Unit)のことを言い、重傷な人や全身管理が必要な人の看護を24時間体制で行う場所です。

病院によっては、ICUの役割が異なっていて受け入れる患者さんの疾患が違っていたり、ICUが細分化されている施設もあるのかもしれません。

私が所属していたのは、主に大手術後の患者さんや、院内急変の患者さん、人工呼吸器管理が必要な患者さん等でした。ERの患者さんは含まないため、一般的には、General ICUというのかもしれません。

ちなみに、私の場合は2交代制での勤務だったので今回はそのお話をさせていただきますが、3交代の場合は働き方が少し異なるかと思います。

日勤の場合

ICUは、病院によっても病床数が異なってくると思いますし、配属されている看護師の人数によっても違ってきます。ですが、日勤では大体1~2人の患者さんを看護師1名で看護する場合が多いかと思います。

さて、日勤での仕事の流れですが、病棟に行ってから受け持ちを確認後に患者さんの経過等の情報収集を行います。これは、勤務開始前に行います。その後にベッドサイドに行って夜勤看護師から申し送りを聞いた後、夜勤看護師と日勤看護師で点滴類等のダブルチェックを行います。

申し送りが終わったら、今度は患者さんの全身観察を行います。今までの記録と変化がないか、観察して何か気になる部分がないか、初めて使用する機械や治療法があればその管理の仕方を把握する必要があるため、疑問に思う部分があればあらかじめ夜勤看護師へ確認します。

そうして、ある程度患者さんの状態が把握できたら、自分の勤務中のケアプランを組み立てます。

患者さんの意識レベルがはっきりとしていれば患者さんと一緒にプランニングを行います。患者さんの状態によって行うことが違ってくるのですが、日勤帯での保清の時間、リハビリの時間、リハビリの内容、医師の診察・処置時間、食事・経管栄養の時間などを考えて、他の看護師の活動状況も考慮しながら一日のプランを立てて、実行していきます。

ただ、全てが計画通りに行われるはずもなく、時折予定外のことも起こるため、患者さんに必要な処置やケアの優先順位もしっかり考えながら、その都度予定の修正、実行、評価を行っていきます。

情報収集をして、計画して、実行して評価する、たったこれだけのことかもしれませんが、装着している機械や点滴が多かったり、重傷度が高かったりして、処置やケアなども慎重に行われるため一つの行動でも時間がかかります。

また、急変など予定外のことが起きればそちらを優先して対応するため、どうしても計画通りに事が進まないことが多いです。

日勤では夜勤と比較して人手があります。そのため、必要な処置は出来る限り日勤で行う、人手の少ない夜間帯に特に急変が起こらない様に医師と相談して出来る限り日勤帯で対応しておく、というのも大切なのです。

夜勤の場合

夜勤では、看護師の人数が減り、2~3人程度の患者に対して看護師1人で看護します。

夜勤の看護師も、まず勤務開始前の情報収集から始まり、日勤看護師から申し送りをした後に、ダブルチェックや観察を行います。

その後、日勤帯と同様にプランニングを行い、実行していきます。勤務を開始してしばらくすると食事の時間となるため、その準備や実施をします。

その後は、必要時に定時の点滴を行ったり処置を行ったりします。夜間帯で日勤と違う部分は、患者さんの休息をいかにしてとるかです。

これも情報収集を充分にしておかないと、人によっては睡眠をとるために眠剤が必要であったり、せん妄になりやすくて見守りが必要だったりする場合もあるからです。

そのため、患者さんの意識レベルに問題がなければ、患者さんと相談して、薬効時間を考慮しつつ眠剤を使用する時間を検討します。

せん妄や不穏の状態であれば、見守りが必要になり、病院によっては抑制を行わなければならない場合もあるため、他の看護師と調整して実施します。

そうして一夜を過ごした後、朝になったら採血をしたり、再び食事の準備をしたりします。

まとめ

ここまで大まかに説明しましたが、受け持った患者さんの状態によって実施する内容は異なってきます。

急変のリスクが高かったり術直後だったりする場合は観察をこまめに行いますし、医師の指示の元で薬剤の準備・調整、処置介助も行います。

食事も、自己摂取できる人もいれば全介助で経管栄養を行う必要がある人も居ますし、自分で動けない場合は数時間後ごとに体位交換をしたり必要な場合は体位ドレナージをかけたりします。

一つひとつの動作が、患者さんの状態によって違うので、個別性を考えながら行う必要があります。

また、患者さんやその家族に病状説明が必要であれば同席する場合もありますし、日勤帯、夜勤帯にかかわらず入室患者や退室患者がいればその準備をします。

患者さんのことで気になる内容があれば、看護師や医師とカンファレンスを行う時間をとることもあります。

ICUでは、患者さんの全身状態の管理が優先されるため、他病棟に比べると一日の流れを考えて行動しようと思っても予定通りにこなせない事もあるのかもしれません。

そのため、臨機応変に対応することが必要なのだと思います。

 

ICUの看護師の業務内容など

ICUの看護師ってとにかく大変そう、と思う方も多いと思います。

私は普段ICUで勤務をしていて、たまに他病棟にヘルプ(病院によってはサポート)をしに行くことがあったのですが、患者さんの状態が落ち着いていれば、もしかしたらICUよりも他病棟の方が忙しいのかもと思う時がありました。そんな点も踏まえて今回はICUの看護師の業務内容について、経験談をもとにお話したいと思います。

ICUと他の病棟との違いって?

患者さんの経過や術式などの情報をとって、観察をこまめにして、必要時には処置をしたりケアをしたりするのですが、これは病棟でも同じだと思います。

ICUが他の病棟と違うのは、重症度の高く急変のリスクが高い患者さんを受け持つこと、色々な科の患者さんが入室する可能性があること、それによって使用するデバイスが多いため機械の操作や知識が必要になること、重症度が高いため受け持ち人数が病棟よりも数ないこと、などだと思うので、それに伴って業務内容も異なってきます。

ICUの業務内容

まずは観察

ICUではこまめな観察が必要になります。重症度が高くて命の危機にさらされている人が多いので、当然ですよね。

患者さんによって疾患や治療が異なっているので、一概には言えませんが、循環動態の観察、呼吸状態の観察や呼吸器トラブルがないかの観察、尿量のカウントや水分出納管理、薬剤の観察・管理、意識レベルの観察、創傷管理、栄養吸収状況の管理など行うことは様々あります。

他にも、レントゲンなどの画像を自分の目で確認したりする場合もあります。

他の病棟ではもしかしたら1日3回のバイタル測定を行っているのかもしれませんが、ICUでは1~3時間ごとなどの細かい観察が必要になります。

全身を観察して、なおかつ全ての要素がどのように組み合わさっているかを考えた上で今の患者さんの状態を把握して、今後どのような経過をたどる可能性があるか、どのようなリスクが起こるか、どうしたら改善して何をしたら悪化する可能性があるかを考えて次のケアへ生かす必要があります。

処置

ICUでは、処置が必要な患者さんが沢山います。術後や外傷などで創傷処置が必要な人もいれば、状態が悪化して気管挿管やCPR等の緊急時の処置が必要になる場合もあります。

事前に処置の予定が決まっていれば良いのですが、そうでないことが多いため医師がどのような事を考えて、次にどういった行動を起こすか推測する必要がありますし、医師とのコミュニケーションも必要になります。

医師によって、処置時に使用する物品の好みも違ってくるのでそのあたりも把握しなければなりません。

処置に関しては、ICUでできることは、手術室に移動せずにその場で行うことが多いので、物品の準備や処置時の患者さんのモニタリング、医師の介助などもICUの看護師が行います。

そのため、好みが細かい医師に関してはあらかじめ医師に必要物品を確認する必要がある場合もあります。

機械の管理・操作

ICUでは他の病棟と異なり、多くの機械を使います。心電図や人工呼吸器をはじめ、透析の機械やIABPなどの補助循環の機械なども使用する場合も多いです。

様々な科の患者さんが入室するため、初めての機械や道具を使用する機会も多くなりますし、処置内容によって使用するものも変わってくる可能性が大いにあります。

そのため、使用する機械に関する知識、病態に関する知識、トラブル時の対応等をしっかりと把握しておかなければなりません。病院によっては、臨床工学士が対応してくれる場合もありますが、そうでない場合もありますし、夜間帯などすぐに他の人が駆けつけられない場合もあるからです。

家族ケア

ICUでは急変しやすい方や、重症度が高い方が入室しているため、その家族も不安になりやすい状況にあります。患者さんのみでなく、家族の心理状況も病状によって左右されやすいため、適宜家族の話を聞いてケア介入をする必要があります。

他職種とのカンファレンスなど

これは他の病棟も同じだと思いますが、ICUの患者さんには様々な職種が関わって居ます。医師や看護師だけでなく、臨床工学技士や理学療法士、栄養士など様々な職種の介入を必要とする患者さんが沢山居るからです。

例えば、栄養状態が悪かったら、医師や看護師だけで相談せずに栄養士や薬剤師に相談してよりよい状態に改善できるように努力をします。

ICUは状態に変化を起こしやすい患者さんも居ますし、治療方針に納得できない患者さんやご家族も居ます。そういった場合に、関与している職種でカンファレンスを行って患者さんやご家族に対してどのようにアプローチをしていくか、目標を決めていくか等を決定します。

まとめ

ICUでは様々な科の患者さんが入室する可能性があるため、毎回受け持つ方の疾患が違う場合がありますし、同じ疾患でも既往歴によって状態に変化をもたらす可能性があります。

さらに、急変のリスクが高かったり重症度が高かったりするため、他の病棟のように日常生活援助に重きを置くよりも、診療の補助などの医療的処置に時間を費やす事が多いです。

今回ご説明したICUの看護師の業務内容は、一例に過ぎません。状態によって左右される部分もあるからです。

より急性期であれば診療の補助や処置に時間を費やしますし、回復期へ移行してくるようであれば、転床を視野に入れてADLをアップできるようにリハビリを組み込む時間を多くとります。

最初にも説明しましたが、ICUでは患者さんの状態が落ち着いていれば、受け持ち人数が少ないためもしかしたら比較的負担が少ない場所なのかもしれません。

ですが、急変などを起こさずに出来るだけ早く改善して退室できるようにすることが仕事なので、充分な知識と対応力、判断力が必要なのだと思います。

もし、もっと業務内容を把握したいのであれば、インターンや病院内研修などを利用して自分の目で確認すると、その場の雰囲気も確認できて良いかもしれません。

 

ICUで働く看護師の悩みやストレスとやりがい

看護師という職業は、とても大変だきつい仕事だと言われていますよね。そのため、様々な悩みを持つ人も多いかもしれません。

中でも、ICUの看護師はどのような悩みを持っているのでしょうか。逆に、ICUでのやりがいとは何なのでしょうか。

ICUで働く上での悩みやストレスとは?

では、まずICUでの悩みやストレスについてみてみましょう。

①患者さんの重症度や緊急度が高い

これは、ICUなので当たり前だと思いますが、ICUでは重症度の高い患者さん、緊急度の高い患者さんが入室しています。

どうしても、一つのミスで命に関わる患者さんが多いため、自分のミスで患者さんの命を奪ってしまったらどうしよう、何かやらかしてしまったらどうしよう、なんていう考えが出てきて、常に緊張感を持って働かなければならないためプレッシャーにもなりストレスに繋がりやすくなります。

経験を積めば、このようなプレッシャーから多少は解放されるのかもしれませんが、この職場で働く以上は切り離せないことなのだと思います。

②患者さんやその家族と、どのように関わって良いか分からない

ICUでは、重症な患者さん、急変しやすい状態にある患者さん、多くの処置や管理が必要な患者さんなどが入院しています。

回復傾向にあり、他の病棟への転床が見え始めているならばいいのですが、そうでない方は沢山いますし、いつ状態が変わってもおかしくない方も多くいます。

そのため、勤務に慣れてくれば対応の仕方がある程度分かってくるのですが、特に新人の頃は患者さんやご家族に対してどのように対応してよいのかわからない状況に直面することも多々あります。

そうでなくとも、医療者側としては、疾患や治療の現状を把握して今後どのような経過をたどる可能性があるか推測していますので、状態が厳しい患者さんのご家族からいろいろ質問されると返答に困る場面に出くわすと思います。

しかも、対応するときは自分一人のことが多いので、どうしても葛藤が生じてストレスになりやすくなります。

③勉強することが多い

看護学生って勉強することは多いですよね。他の大学生が遊んでいる中、自分は何でこんなに学校に行かなきゃいけないんだ、実習なんて嫌だなんて思った経験が私にもあります。

ですが、ICUに配属されると、正直言って今まで学んだことでは全く足りません。これは、もしかしたら他の病棟に勤務する場合でも同じなのかもしれません。

まず、配属されたときには、職場の環境を把握しなければなりません。どの場所に何の物品があるのか、いつ使うものなのか、など十分に理解していないと、急変時などに使いたいと思ってもすぐに準備できなくなってしまうからです。

次に、患者さんの病態の勉強です。ICUでは院内のどこからでも患者さんが集まる可能性があります。

そのため、患者さんの原疾患の知識だけでなく、他の既往歴についても知っておかなければなりませんし、治療方法も把握しなければなりません。

使用する薬剤に関しても、どのように使って薬効はどうなのか、副作用は何なのかを知る必要がありますし、医師に質問される場合もあるので、私も新人の頃は本当にビクビクして気が気じゃありませんでした。

今まで受け持ったことのない疾患の患者さんを急に受け持つことになった、なんてことはざらにあるので、あらかじめ勉強したり直前に猛勉強したりしたときもありました。

良い経験になるとは思いますが、勉強が苦手な人には大変かもしれません。

また、ICUでは、他の病棟以上に使用する機械がたくさんあります。

心電図のモニター、人工呼吸器は使う方が沢山いるので早い段階で知識を付ける必要がありますが、正直言って新人の頃は参考書も先輩も何を言っているのかわかりません。

加えて、ICUでは様々な科の患者さんが入室してくるので、初めて使用する機械も沢山あります。

本当に初めてばかりのものが多くて、しかも命に直結するような機械ばかりなので、とてもストレスがたまりやすいと思います。

④厳しい先輩が多い

これは、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

そもそも、看護師って厳しい人が多いんじゃないの?と思う方も多いかもしれません。おそらく、それは本当だと思います。でも、ICUの看護師は特に厳しい人が多いような気がします。

私も新人の頃、厳しい先輩がリーダーをやると分かったときには、その日までずっと眠れない日が続いたこともありました。

ICUでは、環境的にいつ何が起きてもおかしくないような緊急性の高い状況も多いため、先輩方もどうしても言葉がきつくなりやすい傾向にあるのだと思います。

中には、とても優しく感じる天使のような先輩もいるかもしれません。

ですが、言葉はきつくても言っていることは間違っていない場合も多いのですし、指摘された側も十分に理解していることがほとんどです。だから、余計に罪悪感を抱きやすくなる場合もあるのです。

⑤医師との関わり方が分からない

他の病棟だと、その科の先生が主に出入りするため、看護師と医師で関係性が築きやすいのかもしれません。

ICUでは、いろいろな科の患者さんが入室するぶん、様々な科の医師も診察にきます。

頻繁に来室する医師であれば、関係性も築きやすいのかもしれませんが、そうでない場合も多いのでどのように医師と関わって良いかわからないときがあります。新人で自信がない頃は尚更です。

じゃあ、やりがいってあるの?

今まで、ICUのネガティブな面をつらつらと書いてきましたが、悪い部分ばかりではありません。大変な分、やりがいもたくさんあります。

①患者さんの変化がわかりやすい

ICUに入室する患者さんの多くは急性期の状態にあります。状態が悪くなる場合も時にはありますが、改善する場合も多くあります。

自分の受け持っている患者さんの使用している機械が一つ減った、使用している薬剤が少なくなったなど、患者さんの意識がなくても目に見えて改善していることが分かる場合もありますし、患者さん自身の訴えからも改善が見える場合もあります。

自分が根拠をもって積極的にケア介入をしたら尚更達成感ややりがいを感じると思います。

②大変なことを乗り越えたときの充実感

例えば、一人の患者さんで急変が起きたとして看護師、医師ともにその場に駆けつけるとします。

緊急時って、どうしても阿吽の呼吸が必要になってくる場面だと思いますし、チームプレイがなければできないことだと思います。

そのため、みんなでそれを乗り越えて患者さんの状態を安定させたときの達成感や充実感はとても大きいものです。それがもとで、医師や他の看護師と仲良くなる場合もあるほどです。

③勉強した分、知識が豊富になる

医療現場は、どうしても勉強しなければならない環境です。治療の方法や薬剤も新しいものが次々と出てくるため、どんなに勉強しても足りません。

毎日が勉強になってしまう時も多く、流石に大変なことだと思いますが、ここでつけた知識は他の職場に行っても役立つことが多いです。

実際に、私もICUを離れて別の看護の仕事をしたときに知識が役立った経験があり、ICUで経験を積んでよかったなと感じたことがありました。

まとめにひと言

いかがでしたでしょうか?

今回は、ICUで勤務した経験のある私の体験談をもとにお話させていただきました。

もしかしたら、今回挙げたもの以外にも悩みは沢山あるのかもしれませんし、やりがいもいっぱいあるのかもしれません。

ICUに限らず、どの病棟で勤務する看護師にもあてはまる内容なのかもしれません。このお話が、就職や転職などの参考

 

ICUで求められる人材、この科に向いているタイプってある?

ICUで働きたいけど自分は向いているんだろうか、ICUで働くためには何をしておいたらいいのだろう。そんな悩みを持つ方も多いかと思います。

今回は、ICUではどのような人が向いていて、どのような人が求められているのかまとめました。

ICUで求められる人ってどんな人?

①幅広い知識

ICUでは、色々な科の患者さんが入室する可能性が高く、なおかつ既往歴を持った患者さんも沢山います。

そのため、一つの科や限局した疾患のみではなく、様々な疾患や症状を把握して統合できる幅広い知識を持った人が求められます。

新人であったり、異動してきたばかりの頃は知識なんて全くないから出来ないよ、と思う方もいるかもしれません。ですが、ICUに配属される前に、ICUで働く上で必要な知識を持っている看護師はそんなに多くないと思います。

それよりも、ICUに配属をされてから覚えることは山ほどあるため、それについて行ける人が求められます。

②先を予測出来る人

ICUでは、急変のリスクが高い患者さんが入室されているため、何が起こるか分かりません。ですが、あらかじめリスクを考えて急変を防ぐことは出来ます。

そのため、自分の持っている知識に基づいて考察できる人、予測しようと考えられる人が向いていると思います。

③何か起こったときに対応できる柔軟性

どんなに急変を予測していて防ごうと思っていても、起こるときには起こってしまいます。そのため、何か起こった時に柔軟に対応できる人が必要です。

柔軟に対応するためには、患者さんの状態を把握出来る力、医師や他の看護師が何をしていて何を必要としているか考える力、それに伴って動ける行動力が必要となります。

勤務を始めた頃は知識もないですし、大抵の人はどのように動いて良いか分からずあたふたすることが多いです。

ですが、勉強をして知識をつけたり経験を積んだりすることで、徐々に備わってくるものだと思います。

ただ、身につくスピードは人それぞれですし、他の看護師や医師が考えていることを一緒に考えようとしていたり自ら学ぶ姿勢があったりする方が、どのように動くべきか、何が必要とされてくるのか、分かってくるのかもしれません。

④コミュニケーションがとれる人

ICUでは重症な方やその家族に対して対応することが多いです。

状態が悪く、この先回復は厳しい、といったときにも関わらなければならない場合もありますし、そういった時ってこちらの反応一つで患者さんやご家族の心理状態は変わってきます。

たいていの場合、家族対応するのは担当看護師が一人で行う事が多いので、しっかりコミュニケーションがとれる人が好ましいです。

また、ICUでは様々な職種が関わっていて、カンファレンスを頻繁にすることもあります。

医師や先輩看護師から意見を求められる場合もありますので、しっかりと自分の意見を述べる必要も出てきます。

そうでなくとも、医師や看護師と関わって協力して働かなければならないので、コミュニケーションスキルは医療現場で働く以上必要なものになります。

■ICUに向いている人

①細かく考えられ、実行できる人

例えば、病棟では手落としで行う点滴も、ICUではポンプを使って実施して体内に入った量と出た量を時間ごとにカウントします。そうでなくても、循環作動薬など流量を少しでも間違えたら命に関わってしまう薬剤が多く使われますし、少しでも使い方を間違ってしまったり観察を怠たってしまったら、命を落としてしまう可能性のある機械やデバイスも沢山あります。そのため、これくらいで良いか、などという大雑把な考え方を持つのではなく、一つ一つ丁寧に、抜けがないようにきちんと考えられて実行できる人が向いています。

②精神面が強い人、切り替えが出来る人

ICUでは、他の病棟に比べて急変が起こりやすいですし、亡くなる方も多いです。どうしても、家族をケアすることに時間を費やさなければなりませんが、その間にも医療者側にも少なからずストレスはかかっています。特に現場に慣れていない人は、人が亡くなることに対してもストレスがかかりますし、あのときこうしておけば良かった、などと引きずることもあるかもしれません。

また、ICUでは、言っていることは正しくてとても納得できるけれど注意の仕方が厳しい、といった先輩が多い気がします。自分でも、自分に非があることがわかっている場合、攻められると自責の念が強くなってしまい、耐えられなくなる可能性があります。

ICUは、緊張感がある分、ストレスがかかりやすい職場なので、気持ちの切り替えが出来て次につなげていこうと考えられる人、精神面が強い人が向いています。

③素直な人

もしかしたら、これはどの仕事、どの職場でも当たり前なのかもしれませんが、素直に人の言うことを受け入れられる人が向いています。どうしても、患者さんによって個別性がありますし、やらなければならないことも多くなります。そのため、どうしても指摘される事が多くなります。これを素直に受け取って、改善して行動出来る人が向いているといえます。

④人と接するのが好きな人

ICUという職場は、コミュニケーションがとても必要になる場所です。その前提として、人と関わるのが苦手だったり嫌いだったりすると、その職場に居る看護師当人も辛いですし、担当される患者さんやご家族も辛い状況になってしまいます。看護師の一言で、モチベーションにつながってリハビリや治療を頑張れる患者さんは沢山いますし、助けられるご家族も多いのです。そのため、人と接する事を苦に思わずに関われる人が向いているといえます。

コミュニケーションスキルというものは、日常生活の中で次第に形成されます。従って、患者さんや他の医療者とコミュニケーションがうまくとれないという方でも、周りの接し方を見て学んだり、人と関わったりすることで次第に培われていく可能性があります。最低限、人と関わる事が好きだったり、人のことを考えたり出来る人が向いている仕事だと思います。

まとめにひと言

今回は、私の経験をもとにICUで求められる人材、向いているタイプについてお話しさせてもらいました。どうしよう私は当てはまらないみたいだ、と思う方もいるかもしれませんが、これは一例ですし、ICUで働きたいという気持ちがあれば上に書いた事も経験しているうちに伴ってくるのではないかと私は思います。

 

ICUでの患者さんとの関わり、接点はどんな感じ?

ICUって、意識のない人ばかりで患者さんとの会話もなさそうだし、コミュニケーションをとるのが苦手な私でもやっていけそう、なんて思う方ももしかしたらいるのかもしれません。実は、ICUは患者さんと関わる時間がとても多いんです。

今回は、患者さんとの関わりや接点についてまとめました。

ICUの勤務態勢から見た関わり

ICUは、他の病棟に比べると看護師が受け持つ患者さんの人数は少ないです。厚生労働省でも、重症度に合わせて患者さん2人に対して看護師1人以上を配置するように言われています。また、ICUでは数時間おきにバイタルを切ったり、観察を行ったりする必要があるので、どうしても患者さんのもとへ訪室する頻度は増えますし、患者さんと関わる必要があります。つまり、患者さんの覚醒状況問わず、ICUで勤務している以上患者さんとの関わりは必須なことなのです。

では、次に意識のある患者さん、意識のない患者さんで分けて関わりについて見てみましょう。

意識のある患者さんの場合

ICUで意識のある人っているの?と思う方もいるかもしれません。生命維持に必要なデバイスが徐々に減ってきて、退室できそうな人はコミュニケーションがとれる状態にありますし、今は不必要に鎮静を深くしない傾向になってきているため、薬剤を使って眠らせようとしても意思疎通が図れる程度で患者さんが負担のない状況に薬剤の使用を押さえている場合が多いです。

では、どういった場面で患者さんと関わっていくのでしょうか。

当たり前ですが、全身観察をしたり、ケアをしたり、患者さんに何かをするときには必ず声をかけます。何も言わずに急に身体に触れられたら、誰だって嫌ですよね。また、患者さんの訴えにも耳を傾ける必要があります。あれがほしい、これをやって、というように自分から訴える方もいれば、我慢して何も言わずにじっとしている方もいるため、必要なときにはこちらから察して声をかける必要があります。

モニターで観察していたり表情や様子でくみ取っていたりしても、やはり自覚症状は患者さんにしかわからないため、その訴えにも傾聴して対応するようにします。

また、リハビリをICUで行う場合も多いです。ICUで行うリハビリの多くは、機械が装着されていたり、ドレーンや点滴が多かったりするため、看護師が手を貸す必要があります。機械が外れたり、挿入されている管や点滴が抜けてしまわないように、患者さんを誘導しつつ、観察も行いながらリハビリを実施します。

■意識のない患者さんの場合

意識のない患者さんは、安静度に制限があることが多いです。循環動態が崩れていたり、発熱があって意識がない場合もあれば、管理に必要なため深く眠らせている場合もあり様々です。そういった患者さんの場合でも、接するときには必ず声をかけます。正直なところ、意識のある患者さんも意識のない患者さんも、対応の仕方は一緒です。ただ、意識のない患者さんにも同様な対応が実施出来るかどうかは、看護する側の心がけ次第だと思います。

意識のない患者さんの場合は自分から訴えることはできないため、こちらから気付く必要があります。モニターの数値だけを見るのではなく、全身状態を観察し、ご家族からの言葉もくみ取って患者さんが必要としていることは何かを考えてケアや処置を行います。

 

まとめ

大まかに話しましたが、他の病棟でもICUでも人を相手にしていることは変わりありません。そのため、患者さんがどんな状態であれ接するときにはコミュニケーションが必要になります。そうでなくても、患者さんに積極的に関わることで状態の変化が分かることもあります。また、患者さんと直接関わるだけではなく、そのご家族やキーパーソンとなる人など患者さんを取り巻く人々と関わることでも患者さんの情報収集につながりますし、ケアに生かす事も出来ます。

例えば「痛い」と言えない方でも、痛いときには血圧が上がったり、顔をしかめたり、ぴくっと動いたり、小さなアクションが起こります。そうでなくても、こちらから痛そうだなと思ったら、あらかじめ鎮痛剤を使用する事が出来ますし、細かい観察がとても大切になるのです。

 

ICUでは1人の患者さんと関わる時間が多いため、病棟に比べて患者さんと接する時間も多くなり、関係性も築きやすくなります。一方で、使用している機械や点滴類が多いため、看護師主体で動きがちになりやすいですが、患者さんが何を考えているか、何を希望しているか観察した情報から汲み取ってケアや処置につなげる必要があります。

何度も何度もICUに入室される患者さんはそう多くはないため、患者さん自身どのように動いて良いのか何をしたら良いのか分からない事が多いです。看護師が直接関わっていない時間も安楽に過ごせるように、オリエンテーションなどを行うと良いのかもしれません。

 

ICUと他職種、コ・メディカルとの関わり、必要な連携は?

ICUは様々な疾患をもつ患者さんが入室している事もあり、他職種と関わることも多く、連携しなければならないことも沢山あります。

では、どのような職種と、どのように関わっているのでしょうか。

医師

これは治療を行う上で関わることは当たり前ですね。OpenのICUなのか、ClosedのICUなのか、そのICU病棟の特徴によって担当する医師の科が違ったり、医師の関わり方も変わってきたりすると思いますが、必ず担当医や担当チームで医師は関わります。

医師は常に患者さんの近くに居るわけではないので、看護師が患者さんの状況や状態の変化を伝えて診察や処置に繋げる必要があります。

また、医師それぞれで処置方法が異なったり、使用したい物品が違ったりすることもあるので、看護師はそれを把握して医師がスムーズに介入できるようにしなければなりません。

患者さんの中にはICUに入室している間に他の疾患にかかる方もいます。そういった場合、主科だけではなく、コンサルトをして他科医師が診察に来る場合もあります。

その他にも、医師と信頼関係を築く事も大切です。医師から教えてもらう事も多々ありますし、それが自分の学びにもつながり、看護に生かすことも出来るからです。

薬剤師

看護師は、薬剤を使う場合にはその薬の薬効や作用時間、副作用などを把握した上で使用していると思います。

それでも、薬理作用が分からなかったり、薬剤の配合が分からなかったりと、どんなに調べても分からないことは次々と出てきます。

そういったときに薬剤師からアドバイスをもらう事が沢山あります。患者さんに対して薬の説明をするのも、知識豊富な薬剤師から直接説明があった方が患者さんも安心ですよね。

医師でも、薬の使用方法が曖昧な場合もあるので、薬剤師からのコメントを参考にする事もあります。薬に関して分からなかったときに、薬剤師が居ると本当に心強いです。

栄養士

ICUに入室している患者さんは、どうしても栄養状態が悪いことが多いです。患者さんの中には口から物を食べられる方も居ますが、胃管や胃瘻などを使用して摂取される方も沢山居ます。

経口摂取の場合は、食事摂取が進んでいるか、嚥下状況や食事の好みなどを考慮して適宜食事形態を変更する必要があります。患者さんによってはこだわりが強く、病院食は嫌だといった方もいるため、栄養士に相談することがよくあります。

経管栄養の場合は、吸収状況や排泄状況も考慮する必要がありますし、患者さんの疾患によっては、状態に合わない栄養も出てきます。

どちらの場合も、看護師や医師だけで考えずに栄養士の介入を依頼しますし、アドバイスを受けます。

臨床工学技士

ICUでは、人工呼吸器や透析の機械など、沢山の医療機器を使用しています。そのメンテナンスから稼働まで臨床工学技士の力を借りないと出来ません。病院によっては、臨床工学技士が全て管理する所から、看護師が機械を管理する所まで様々だと思いますが、どちらにせよ、機械の専門家の力がないと安全に確実に患者さんを見ることが出来ません。

理学療法士・作業療法士

ICUでは、全身状態が落ち着けば、早い段階からリハビリを開始します。そういったときに理学療法士や作業療法士の力が必要になります。

どうしても、臥床状態が続くと筋力が低下しますし、それが長期にわたれば廃用症候群になるリスクだって出てきます。

ただ、看護師が闇雲にリハビリを行ってもいけないので、どの筋肉の筋力が低下しているのか、どうやってリハビリを行えば良いのか、ポジショニングはどのようにとればいいのか、など理学療法士や作業療法士に直接介入してもらったり、アドバイスをもらったりします。

また、肺理学療法も取り入れることで、人工呼吸器の合併症も予防でき、人工呼吸器の使用期間を短縮できる可能性もでてくるので、それに関しても介入してもらう必要があります。

言語聴覚士

人工呼吸器の使用期間が長かったり、疾患の影響で嚥下機能が低下している場合があります。

そういった方にはすぐに食事を召し上がっていただくことは出来ないため、嚥下の訓練が必要になり、言語聴覚士の力が必要になります。

嚥下の機能を確認して、今はどれくらいの食事形態ならば摂取ができるのか、看護師としてはどういったケアが必要か、患者さんに直接介入してもらいアドバイスをもらいます。

そうすることで、徐々にリハビリを進めて行くことが出来るのです。

感染対策チーム

これは、医師や看護師、栄養士など様々な職種が集まって出来るチームです。どうしても、担当医師や看護師だけでは発熱の原因が分からなかったり、何の薬をどのように使用して良いのか分からなかったりします。そういった場合に、コンサルトをしてアドバイスを受けます。

まとめ

今回挙げたものは、一例に過ぎませんし、このほかにも様々な職種が関わり患者さんの回復の援助を行っています。先に挙げたように、患者さんに直接関わって介入する場合もありますが、一方で、他職種間で勉強会などを行って知識の共有を行って、医療の質を高めることもあります。

医療現場に居る以上、連携をとるにはどうしてもコミュニケーションが必要になりますし、他の職種がどのような役割や機能をもっているのか知っている必要があります。そのため、看護師は、他の職種に興味を持って関係性を築く必要があるのではないかと思います。

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