超高齢社会の到来に伴って、認知症のある高齢者の数も増加の一途を辿っています。現在、認知症の進行を予防する薬は開発されていますが、認知症を治療する薬の開発は世界的にも完全な成功例が見られていません。
よって、認知症の介護や看護が出来る専門知識を持った人材が今後も必要とされてくると言われています。
一般病院の療養病棟や精神科単科病院には、認知症専門の病棟が設置されていることがあります。介護老人保健施設に入居している方との違いは、認知症病棟に入院している方のほうが、医療依存度が高いという特徴があげられます。
しかし、社会的入院を余儀なくされている方も少なくなく、実際は介護老人保健施設とさほど変わりないという病棟もあります。
一般の病床で治療を行い、退院できるような身体状況になったとしても、入院中のADL低下によって介護が必要な状況となり、在宅への復帰が困難な場合も多々あります。
介護老人保健施設に空きがない場合、療養病棟や認知症専門病棟へ転棟となり、実際には一生をそこで過ごす患者さんもいます。
認知症専門病棟には、介護士はもちろん、看護師が配置されています。看護師の役割としては、患者の健康を管理することが一番の役割です。
認知症の患者さんは、認知の障害によって、自分の健康状態を把握することが困難なことが多々あります。例えば、腹痛があったとしても、それをどのように訴えていいのかわからず、不穏になったり、衝動的な行為が見られることさえあります。
このような患者さんの変化に気付き、そこから体調の異常にいち早く気付いていくことが、看護師の役割です。また、経管栄養やデクビの処置、輸液管理を行っている方も多いため、最低限の基礎看護技術が必要です。
認知症の看護師は、一般の高齢者の看護と異なり、認知症に対する知識とコミュニケーションスキルが必要になってきます。認知症のある方の症状を悪化させないためも、必要な対応法を身に付けていることが大切です。
高齢者の多い病棟で働く看護師の中には、認知症看護のエキスパートを目指したいと考え、認定看護師の資格を取得する人も増えてきました。
これから増えていく高齢者に対して質の高いケアができるという認定看護師の資格は、活用できる場が今後ますます増えていくと考えられます。
看護師として何かスキルアップしたいと考えている方や、高齢者とじっくり関わることで新しいことにチャレンジしたいと考えている看護師には、ぴったりの職場かもしれません。
今日の部屋持ち:nami