看護師の大半が、専門学校を卒業して看護師国家試験に合格しています。しかし、医療の高度化や専門家に伴い、専門学校の3年間という短期間で、看護師に必要な学習カリキュラムをクリアするのは並大抵のことではなくなってきました。
例えば、ある看護専門学校では月曜から金曜まで毎日1時間目から6時間目まで授業が組み込まれています。学期末試験の科目数は20科目以上に及び、1週間でそれらの試験を終了しなければなりません。
一般の大学生と比較すると、看護学校のカリキュラムは比較対象にならないほどハードになってきているというのが現状です。
このような状況を鑑みて、4年間でじっくり看護師教育課程を修了できるという、看護大学の新設が相次ぎました。
また、大きな病院の看護師長・看護部長になるには、最低でも大卒の学歴があることを条件とするところも増えてきています。むしろ、大学教育を受けていない看護師が、看護教育や看護管理に携わることが難しい時代になってきたということが言えるでしょう。
大卒看護師と専門卒看護師とでは、基本給が5,000~10,000円程度違ってきます。給料に加えて、専門看護師資格の取得に必要な条件の一つに、看護学士の学位を有していることが条件にあります。
つまり、看護師としてのキャリアアップを考えた時に、大卒であるということが有利に働く場面が多々あるのです。
そこで最近増えてきたのが、専門卒看護師が大卒資格を取るということです。大卒といっても、看護以外の学部・学科で学位を取るのではく、看護学の学位を取ることが目的となります。海外ではBachelor of Nursing Scienceとして知られている学位ですが、日本では看護学士という名前になります。
大卒看護師になるためには、二つの方法があります。
一つ目に、通信大学で学位申請に必要な単位を取得し、大学評価・学位授与機構に単位申請をして看護学士を取るという方法です。
二つ目に、大学に編入して必要単位を修得し、看護学位を取るという方法です。
働きながら大卒を目指す人の場合、前者のほうが多い傾向にありますが、自己学習が苦手でモチベーションの維持に不安がある人は、退職して大学編入する人も珍しくありません。
大学に編入する場合は、社会人入学や編入学という枠を設けている大学が多いため、受験をすることになります。
一般的に3年次編入で2年間大学に在籍することが多いですが、大学によっては2年次編入のこともあります。
一度勉強から遠ざかってしまうと、再び学習することは勇気がいることかもしれません。
しかし、看護師としての可能性を広げるためにも、大学での学びが無駄になることはないでしょう。
今日の部屋持ち:nami