社会構造や人間関係がより複雑化する中で、従来よりも困難な問題を抱える人が増えてきました。
看護師の対象は、病院に入院している患者だけではありません。
患者の家族や、生活する地域、そして、健康な人も含めた全ての人が、看護の対象なのです。
そこで、複雑な社会に対応可能な高い看護実践能力を備えた専門資格が誕生しました。
それが、日本看護協会によって認定される専門看護師です。
専門看護師は、実践、相談、教育、調整、研究、倫理調整といった6つの役割を担っており、質の高い看護の提供をしていくとともに、看護研究を行うことで看護の新分野の開拓も行う専門職です。
資格取得に必要な条件としては、修士号の取得と臨床経験があります。
まず、修士号を取得するには、看護系の大学院において2年間の修士課程を修了しなければいけません。
現在、10の専門看護師資格が存在していますが、それぞれの専門看護の養成課程を開講している大学は限定されており、全国でもまだ少ないという現状があります。
つまり、専門看護師資格を取るには、自分が専門としたい分野の養成課程がある大学院に入学し、その課程を修了する必要があるのです。
なおかつ、臨床経験5年が必要であり、そのうち3年以上は専門分野でなければいけません。
かつて、専門看護師を養成する教育機関は全国でも数少ない状況でしたが、平成26年4月現在では、全国96大学院で合計256課程があります。
また、平成26年には、日本看護協会に登録された専門看護師数が1000人を超えました。
この現状から、医療機関がいかに専門看護師を必要としているか、また、専門看護師になりたいと考える看護師がいかに多いかがわかります。
病院にとっては、専門看護師を広告にすることが出来ます。
したがって、大きな病院であればあるほど、専門看護師を養成していくことに積極的な姿勢が見られています。
中には、専門看護師が看護外来を開いている病院もあり、その働き方や将来性について注目を集め始めています。
キャリアアップを考える看護師で、特に専門性を高めたい方は、専門看護師の資格を取得することで、高度看護の提供に貢献するのも一つの選択肢です。
今日の部屋持ち:nami