このところ夜勤専従看護師として働く男性看護師が増えてきています。
ここでは、私の友人である夜勤専従の男性看護師の体験談をご紹介します。
日勤と違って、夜勤の時間帯にはほとんどの患者は寝ているので業務のメインになるのは夜間の見回りになります。
ただ中にはせん妄状態になってしまう不穏患者もいて、いつ発作的に暴れるかが分からないため、注意して接する必要があります。
せん妄状態になり不穏患者と呼ばれてしまうのは、ちょっと気の毒ですが暴力行為や徘徊、奇声を発するなど、精神的に一時的に不安定になっている状態が夜になると表面化することがあります。
入院だけでもかなりのストレスになるのに、検査の連続、全身麻酔での手術、場合によってはICUでの経過観察など、患者にしてみたら体を治すための入院であるはずなのに、精神的には大きなストレスの連続であるわけで、その影響が不穏となって暴力や暴言となって現れるのです。
せん妄状態の不穏患者が暴れてしまった場合は、殴られたり蹴られたりしないようにしないといけません。
私の友人は、パンチを避けたところを下から蹴られてしまって、顔面に怪我をしました。
右の頬に打撲と切り傷ができてしまい、でも仕事は休めなかったので顔を腫らしたままで出勤していました。
友人を殴った患者は、顔が腫れている友人を見てとても驚いて心配してくれたそうです。
せん妄状態にある患者が夜中に不穏になってしまう場合、どんなに暴れても暴言を吐いても、その記憶は残りません。
朝になると「なんだか体中が筋肉痛だ」なんて訴えてくることもあります。
あれだけ暴れれば筋肉痛にもなるだろう、という気持ちを抑えて「術後はそんなことも起こりますよ」といった説明をすることになります。
「不穏になってしまう気持ちをしっかり理解すれば、怪我してもそこまで腹は立たないけど、ただただ痛い」と友人は言ってました。
患者への理解と冷静な対処、そして自己防衛を忘れず不穏患者には接していかねばなりません。
こうしてせん妄状態の患者が夜間に暴れることを考えると、夜勤専従看護師は男性に向いているのかもしれません。
1人でも男性がいれば、女性の看護師は安心して仕事をすることができるでしょう。