看護師、助産師のうち、「辞めたい」とする回答が8割にのぼると言います。
これはなかなかの数字で、業界全体が大きな問題を抱えている事を示すものかと思います。
その大きな問題とは異口同音に出てくるものではないのでしょうか。
過酷な勤務形態であったり、長時間勤務、それに対する報酬が見合わなかったり、なかったりと。
自己研鑽の名目で休養や自由な時間として使われるべき休日を、強制的に奪われるなど。
患者や医師などからの暴言やパワハラ、時には物理的な暴力があったり。
それに対して看護職を守ろうとしない職場も。
それらが複合的に絡み合っての荒廃した労働環境などもあります。
これらに対して、業界として対策を講じる事なく、「やりがい」や「看護の魅力を発信」などの実態の乏しい斜め上の事をやっている始末です。
職場単位でも取り組むべき事はありますが、制度面などの業界全体に関わる問題も多々あります。
人員配置であったり、看護職の給与の源泉である診療報酬、夜勤や連続勤務に関わる労基法上の問題などです。
厚労省の看護行政や、表参道におられる協会のお歴々や看護系国会議員の先生方などはこのような実態をご存知ないのか、知っていて放置しているのかは下々の者には知る由もありません。
ただ、異常な状況が放置されている事だけは理解できます。
思考停止なのは看護界隈の平常運転ですが、地方から現場の崩壊は始まっています。
「やりがい」や「使命感」のような精神論でどうにかなるような次元ではありません。